あの人は一体どんなおもたせを贈っているのだろう。贈り物上手な著名人の方々の、おもたせを見せてもらう連載です。チョコレート菓子を贈られた方は、また次のお友達にお菓子を贈る。直接会うのがなかなか難しい近頃だからこそ、甘いチョコレートに幸せを詰めてお手紙とともに。「おもたせ」に心を込めた、温かい気持ちのバトンリレーです。

 

第4回目は、料理家・内田真美さんのとっておきのチョコレート。贈るお相手は、イラストレーターの山本祐布子さんです。数年前に内田さんがご家族で山本さんご家族が営む薬草園蒸留所mitosayaを訪れた時の楽しい思い出写真とともに、本場ウィーンのザッハートルテについて綴られたお手紙。手を動かし、移りゆく季節を愛でながら美しい作品を作るお二人。写真や手紙の言葉にはお互いを大切に想う優しい気持ちで溢れています。

 

中欧の国オーストリアからやって来たザッハートルテは、冬にぴったりの贈り物になったようです。

 

 

贈る人 内田真美さん

リレー連載「あの人に届けたい、とっておきのおもたせ」  Vol.5料理家・内田真美さんから、イラストレーター・山本祐布子さんへ

料理研究家。雑誌や書籍、広告などで活動中。

近著に「私の家庭菓子」(アノニマスタジオ刊)、「高加水生地の粉ものレッスン」(カドカワ刊)また、台湾の食、人、土地に魅了され、台湾に長年通い続けているなど旅好きの一面も。「私的台湾食記帖」「私的台北好味帖」(アノニマスタジオ刊)

Instagram @muccida

 

贈るお相手 山本祐布子さん

リレー連載「あの人に届けたい、とっておきのおもたせ」  Vol.5料理家・内田真美さんから、イラストレーター・山本祐布子さんへ

イラストレーター。東京生まれ。京都精華大学テキスタル学科卒。雑誌、広告、プロダクトデザインなどを手がける。現在は、千葉県大多喜町にあるmitosaya薬草園蒸留所の取締役として運営に関わると同時に、オリジナルブレンドティーを考案。ティーだけでなく、シロップなど新製品の試作、毎月行われるオープンデーの料理などを担当している。二児の母でもあり、犬や猫、鶏と暮らす多忙な毎日を過ごす。

https://mitosaya.com/

Instagram @yukoyamamotomitosaya

 

 

 

 

内田真美さんから、山本祐布子さんへのおもたせ

リレー連載「あの人に届けたい、とっておきのおもたせ」  Vol.5料理家・内田真美さんから、イラストレーター・山本祐布子さんへ
リレー連載「あの人に届けたい、とっておきのおもたせ」  Vol.5料理家・内田真美さんから、イラストレーター・山本祐布子さんへ

ホテルザッハーのオリジナルザッハートルテ

 

オーストリア・ウィーンにある「ホテルザッハー」。数々の著名人が利用する格式高い5つ星ホテルで、「ザッハートルテ」の発祥の地としても知られる。オリジナルザッハートルテは本場ウィーンからお取り寄せした特別な品。

 

公式オンラインショップ

https://shop.sacher.com/en/

 

 

 

LETTER FROM

MAMI UCHIDA

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内田真美さんからのお手紙

 

祐布子 様

 

こんにちは。

木枯も吹き、路に重なる枯葉も舞い上がる季節となりました。

mitosayaの冬の景色も美しいでしょうね。

 

過日は偶然お会いして嬉しさに飛び上がる程でした。

ご家族皆様にもお会い出来て、あの日の午後中笑顔で過ごすことが出来ました。

 

いつも素敵な贈り物を有難うございます。

年末年始の祝い菓子として祐布子さんご家族に召し上がって頂きたくWienのSacher-Torteをお送りさせて頂きますね。

ドイツに滞在なされていたのでドイツ語圏の菓子をご家族皆様でと思い、大好きなウィーンのお菓子を選ばせて頂きました。

ザッハートルテでオリジナルと名乗れるのはHotel Sacherだけなのですが、

オーストリア名産である杏のジャムを通常では生地の間には挟まず上部のみなのですが、ホテルザッハーのものは杏のジャムがレイヤーで生地の間にも挟まれております。しっとりとしつつも軽さのあるチョコレート生地、口溶けのよいチョコレートグラサージュで覆われており、しっかりとした甘さを楽しむ菓子ですが、この間にある杏ジャムが酸味と香りを足していて、最後まで飽きさせずに召し上がれる秋冬に相応しい中欧の銘菓だと思います。

 

ウィーンで供されるザッハートルテと同様に砂糖を入れていないたっぷりの生クリームを添えて召し上がって頂けたらと思います。

mitosayaの蒸留酒にもぴったりなのではと思い選んだというのもございます。

どの蒸留酒に合うのか楽しみでもあります。

 

祐布子さんの描かれる絵は勿論の事、作られるお料理やお菓子共にいつも麗しく、

美味しく、季節の色や情景が折り込まれており、いつも心躍る機会となっております。

季節を存分に纏い子供達の笑い声がこだまするようなmitosayaでの滞在は娘共々宝のような記憶でございます。

このご時世で中々お会いする事もできませんが、また木々深く香るmitosayaにお伺いできる日を楽しみにしております。寒さも本番となりますので、どうぞご家族皆様お体ご自愛下さいませね。

 

また近々お会い出来ますように。

 

真美

 

リレー連載「あの人に届けたい、とっておきのおもたせ」  Vol.5料理家・内田真美さんから、イラストレーター・山本祐布子さんへ
リレー連載「あの人に届けたい、とっておきのおもたせ」  Vol.5料理家・内田真美さんから、イラストレーター・山本祐布子さんへ
ザッハートルテをいただく内田さん。砂糖を入れない生クリームをたっぷりと添えて

 

 

祐布子さんとの思い出の写真

リレー連載「あの人に届けたい、とっておきのおもたせ」  Vol.5料理家・内田真美さんから、イラストレーター・山本祐布子さんへ

「mitosayaに友人家族と伺った際に、祐布子さんがケーキを作って下さっていて、子供達全員でmitosayaの園内をまわり、ブルーベリーやハーブなどを摘み取って飾り付けしたケーキです。中身は桃のショートケーキで美味しさは勿論のこと、祐布子さんの御心遣いにいたく感激し、子供達が意図せず配した意匠のケーキの美しさにも心を奪われました。大切な思い出のお菓子です」(内田さん)

 

 

LETTER FROM

YUKO YAMAMOTO

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山本祐布子さんからのお返事

 

真美さま

 

地面を凍らせるような寒い朝でした。

一面の灰色のグラデーションから、のぼる朝日の美しいことはこの時期ならではの景色です。

 

先日は美味しい美味しい贈り物を、どうもありがとうございました。

ずっしりとした包みを開けると美しい木箱に守られた艶々のザッハートルテ。

ウィーンからの直送と伺い、海外への旅行がかなわない昨今、久しぶりに海の向こうの空気を胸いっぱいに感じることができました。

 

緊張しながらナイフをいれたその初日から、少しずつ切り分けながらいただいていますが、日毎にチョコレートと生地の味わいが馴染み、しっとりした感触が増していくのには驚きです。

午後のおやつの楽しみに、一日を頑張ってすごす励みにさせていただいております。

 

過日の楽しい一日、娘たちはまだまだ幼く、土や花を混ぜてスープを作っていたことを思い出すと信じられないほど美しいお姉さんになってしまったお嬢さまに先日お会いして、月日の早さを実感せずにはいられませんでした。

 

真美さんの作ってくださった氷菓子のようにきらきらと輝くお花が飾られた美しいケーキも、今でも思い出されては懐かしく。

ハーブを香らせた寒天菓子のあの優しい甘み、おやつにとお持ちくださったお茶請けの焼き菓子の風味豊かなこと。数え始めたらきりがないくらい私の記憶に刻まれております。

 

真美さんのご本、時々レシピに習い私も粉や卵と遊んでいます。いつか、全部のページを制覇したいと思いながら、眺めております。

 

春の花の美しい頃に、またきっと素敵な時間をご一緒させていただけますことを、心から楽しみにしております。

 

お元気に、お過ごしくださいませ。

 

 

祐布子

 

リレー連載「あの人に届けたい、とっておきのおもたせ」  Vol.5料理家・内田真美さんから、イラストレーター・山本祐布子さんへ