『Healthy Foodie's Talk -どうなる食の未来!? -』フーズカカオ代表・福村瑛さんが登場。「日本の発酵技術が世界のカカオを変える」をテーマにトークセッション
食や健康の専門家をゲストに迎え、未来の食と健康について考えるLIVE配信『Healthy Foodie’s Talk -どうなる食の未来!? -』に「Whosecacao(フーズカカオ)」代表の福村瑛さんが登場。「日本の発酵技術が世界のカカオを変える」をテーマに、フーズカカオの取り組みを紹介しました。

インドネシアやタイなど東南アジア地域のカカオ農園とともに、カカオの生産、開発から輸入、製菓材料の卸売事業まで一元管理するフーズカカオ。カカオの個性を最大限に生かした自社のお菓子ブランド「CROKKA(クロッカ)」も立ち上げ、BtoB、BtoCの両面からスペシャリティカカオの魅力を発信しています。
「Healthy Foodie’s Talk」では、インドネシア・エンレカン県のカカオ農園などの写真を交えながら、ナビゲーターの桑原りささんとカカオについてトークセッション。「常に品質の高いスペシャルティカカオの生産量向上を目指している」という福村さんが、とくにこだわっているのがカカオの発酵なのだとか。
「カカオはフルーツの種子を果糖で発酵させた発酵食品。発酵の時点で最終的な商品における風味の良し悪しが決まります。カカオ発酵にはセオリーがありますが、産地や豆の違いもあるので必ずしもその通りにはいかないんですね。とくにインドネシアのカカオはポリフェノール含有量が高く、そのままでは渋味が強い。一方でポリフェノールは抗酸化作用が強いので、やり方次第で健康もおいしさも追求できるのではと考えました」と福村さん。
当初、現地農園ではカカオ果汁を使った発酵が行われていましたが、あくまで感覚的なものだったそう。そこで再現性を高めるために発酵温度や攪拌回数、pHデータなどをすべて管理・分析するようにしたところ、2か月ほどで目指すカカオ発酵に辿り着いたといいます。
開発の核となったのは、日本酒やワインの発酵技術をカカオに応用したこと。アルコールを生成させ、酢酸発酵や乳酸発酵を促すことで芳醇な香りを生み出すよう工夫したそう。「現地の農家さんたちはイスラム教の人がほとんど。お酒を飲まないのでアルコールの香りを知らないんです。なのでその部分については僕が確認していましたね」と福村さん。
さらに、マンゴーやライムの果汁、酒粕など多彩な発酵方法でもカカオ開発を進めているといいます。「マンゴーはカカオ果汁で発酵させた時とあまり変化がありませんでしたが、ライムは香料を入れていないのに爽やかな風味に仕上がりました。一方で酒粕を入れたカカオは重く苦い味わいに。同じ産地のカカオでも発酵のさせ方で色々な味が作れるので、やりがいや可能性を感じています」。
続けて福村さんは「いい循環を生み出すためには、ひとつの産地や農家さんから買い続けることが大事だと考えています。新しいカカオが作れるようになったらもっといい価格で買えるようになるし、農家さん自身が販路を拡大させることも可能になる」といいます。
カカオ開発について目指すのは、フランスワインのように、醸造にも価値を付ける文化。そのためフーズカカオでは現在、カカオの発酵装置を開発中。完成後は提携農家さんの作業負担を減らしながらおいしいカカオを作れるよう、さらなる工夫を重ねていくそうです。
■フーズカカオ
■福村さんインタビュー/「農園に居続けたこと」が生んだブレイクスルー。日本の“ビーン・トゥー・バー”をインドネシアから支える
https://www.apeca.co.jp/feature/116/
■Healthy Foodie’s Talk 〜どうなる食の未来!?〜
https://www.facebook.com/healthyfoodiestalk/