「USHIO CHOCOLATL(ウシオチョコラトル)」の代表、中村真也さん、中村さんのライフワーク、そして、ネクストステージに進もうとしている「ウシオチョコラトル」のこれからは?道なき道を切り拓き続ける、ウシオのこれからの展開について尋ねた。

 

文・本間裕子

写真・チダコウイチ
クラブ併設のチョコレート工房へ

広島・尾道の「USHIO CHOCOLATL(ウシオチョコラトル)」は今年創業8年目を迎え、大きな転換期を迎えている。2階スペースのみを活用していた「立花自然活用村管理センター」を丸々一棟購入できることが決定し、より広く、より自由度が高まる予定だ。

「チョコレート工場は1階へ移動させ、機械も新たに追加導入して生産力をあげます。フリースペースも併設し、子供向けのワークショップや、さまざまな専門家を招いてアイデアの交換場所として活用していくつもりです。また、眺望のいい2階スペースはカフェ&レストランスペースとして拡張。さらにクラブも併設してデイパーティを開催していく予定なんです」と中村さん。

 

代表・中村真也さんに探る USHIO CHOCOLATLのチョコレートが楽しい理由(後編)

突飛なアイデアのように思えるクラブオープンだが、「ウシオチョコラトル」では今までもDJやミュージシャンを招き、「PACHAMAMA」という音楽イベントを定期的に開催してきた素地があってのこと。そして、それ以上に必然の出会いもあった。中村さんがほぼ毎日通う「はらだ温泉」で顔見知りになった男性が、代官山UNITの元店長だった桧山健太郎さんで、音楽の話で盛り上がるうちに意気投合したのだという。「自分たちが恩恵を受けたクラブカルチャーを後世に繋いでいきたい」と思いも一致し、温故知新をテーマに、本質的かつ、これからの時代と共鳴したパーティを開催していくことに決まった。

 

「コラボレーションもそうですが、きっかけはいつも人との出会いから。チョコレートを介して色んな世界に触れられることに喜びを感じてきましたが、ウシオチョコラトルの世界を表現できるスペースが広くなり、桧山さんの存在により音楽という新たな軸足も生まれ、さらに繋がれる世界が広がりそうでワクワクしています」。

日本式の温冷交代浴を世界へ発信

ライフワークとしては、世界中に日本式の温冷交代浴ができる温泉をつくる活動をスタートさせる。

「温冷交代浴は、僕が知る最高の温泉の入り方で、毎回確実に幸せが感じられています。一緒に入っている人たちとその感動を共有体験できた時、幸せな気持ちは増幅するもの。言葉にすると陳腐かもしれませんが、僕なりに考えた世界平和を叶えるための活動だと思っています」。

 

代表・中村真也さんに探る USHIO CHOCOLATLのチョコレートが楽しい理由(後編)

第一弾としてインドネシアに温泉を掘りに行くことが決まっており、それを映像作家の友人がドキュメンタリーとして撮影。その映像で収益を得つつ、共感してくれる企業や専門家を募って、実現していく計画だ。その土地で採れる素材で施設を作り、制服もその土地古来の服を採用し、その土地の個性を活かしながらローカライズさせていくなど、すでに中村さんの中でイメージは固まっているという。

チョコレートは世の中と繋がれるツール

時間をかけて修行を積むことや、大量生産のように効率の良いやり方が王道だとしたら、「ウシオチョコラトル」が切り拓いてきた道はその真逆を行くもの。他に類を見ない六角形のチョコレートを考案したり、創業時に抱いた「他と同じことをしたくない」というのは今も変わらないという。「結果的に一風変わったチョコレート屋になっているかもしれませんが(笑)、変わったことをやりたいわけではなく、自分の頭で考えて、進む道を意識的に舵を取っていきたいんだけなんです」と中村さん。

 

代表・中村真也さんに探る USHIO CHOCOLATLのチョコレートが楽しい理由(後編)

創業当初を振り返り、「眼鏡をかけて“それっぽい”という理由だけで経理担当を決めたりしていた」と笑うが、動き続ける中でたくさんの人、新たな価値観と出会い、会社としても十分なパワーを備えた。最初に感じたワクワクする気持ちは、益々強まる一方だ。

「美味しいチョコレートを食べて世界が変わるという経験もあるかもしれないけれど、僕が実感としてあるのは、“世界を知ることでチョコレートが美味しく感じられる”ということ。ウシオではそんなことを様々なアプローチで表現できたらと思っています」。

世の中の「当たり前」に疑問を抱き、自分が正しいと思えば、逆流であろうと進む手段を考える。他に類を見ない高台のチョコレート工房は、これからも新たな価値観を世に送り出してくれそうだ。

 

代表・中村真也さんに探る USHIO CHOCOLATLのチョコレートが楽しい理由(後編)

 

 

 

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代表・中村真也さんに探る USHIO CHOCOLATLのチョコレートが楽しい理由(中編)

 

 

USHIO CHOCOLATL

住所:広島県尾道市向島町立花2200 立花自然活用村 2階

電話:09073911746

営業時間:午前9時〜午後5

HP:https://ushiochocolatl.stores.jp

Instagram:@ushiochocolatl

 

 

 

文・本間裕子

編集者・ライター。大学卒業後、(株)INFASパブリケーションズに入社。ファッション週刊紙「WWD JAPAN」、コレクションマガジン「FASHION NEWS」の編集を経て、美容週刊誌「WWD BEAUTY」に創刊時より携わる。退社後、フリーランスの編集・ライターとして、化粧品、食料品メーカーをメインクライアントに、ブランディング、広告制作等に携わる。甘いものは得意ではないが、カカオは大好きでコーヒー、赤ワイン、ラムに合わせて日常的に食している。料理家など食に携わる人たちとの交流が深い。

 

インスタグラム:@uozazaza