晴れた日はどこに行こうか。いつだって、私はチョコレートが食べたい。記事のタイトルで堂々と「日本橋で」と書いたくせして、この日、私たちが初めに向かったのは清澄白河だった。

 

文:カデカワミズキ

写真:チダコウイチ

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

清澄白河に過去何度となく足を運んだのは何のためであったか、そう、アーティチョークチョコレートのチョコを食べるため。それくらいのお気に入り。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

お店には目立った看板がないので、下手をすると通り過ぎてしまう。作家ものの器なども飾られており一見するとギャラリーのようだが、とっつきづらいということもない。地域の人たちが気軽に入って買い物をして帰る様子に、この街にお店が根付き、生きているのを感じる。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

お店に入ると、まず目に付くのが色鮮やかなボンボンショコラたち。それから、骨つきチキンを模したユニークなチョコレートに、ビーントゥバーのタブレット。筆者はどれも複数回購入済みだが、いつ食べてもおいしい。自分のご褒美にも、ちょっとした手土産にも使わせてもらっている。

 

ふと、初めて見る商品が目に入った。可愛らしいロリポップチョコレートだ。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

プライスタグを読むと、面白いことに気がつく。

 

「おとな 300 こども 100」

 

「小学生以下のお子様限定

ご本人が直接ご購入の場合に限り

1日1本まで

こども価格でお求めいただけます」

 

店員の田中さんが言うには、このお店で最も甘く、食べやすいこのチョコレートで、子供たちの「お買い物体験」を作れたら、と思ってのサービスとのことだ。なんとも粋な計らいじゃないか。私たちは「おとな価格」でロリポップを買って帰った。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

ロリポップをかじる。確かに甘い。けれど、コクやナッツのような香ばしさ、コーヒーのような風味も感じる。おとなもこどももきっと嬉しい、美味しいミルクチョコレートだ。アーティチョークチョコレートのチョコは、いつも丁寧なのに気取らずに、日常にすっと入ってきてくれるから、好きだ。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

さて、次の目的地だ。日本橋方面に向かうと、浜町の駅の近くに、いいお店がある。

 

nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO(ネル クラフト チョコレート トーキョー)だ。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

お店はHAMACHO HOTEL(浜町ホテル)というホテルの一階に入っている。ホテルのロビーからも、直接外からも入れるようになっていて、2019年にできたまだ新しいお店ながら、すでに地域の人々にも愛され始めている。

 

先ほどのアーティチョークチョコレートもそうだったが、大きく掲げていないだけで、ビーントゥバーのお店なのが面白い。カカオ豆の焙煎から調整された味わいは板チョコレートに留めることなく、ボンボンショコラや季節のスイーツといったクリエーションに表現力を持たせる。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

この日は、いくつかのボンボンショコラと板チョコレート、それからお菓子を購入した。ちなみに、私の一押しは「紫蘇」のボンボンショコラだ。和風の組み合わせが多いネルクラフトチョコレートの中でも、紫蘇のインパクトがありつつもまとまった風味が好きで、リピートしている。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

お店を出ると、すぐ横には人気のパン屋、ブーランジェリー ジャンゴがある。この日も人が並んでいた。さらに横断歩道を渡って向かいの道に行くと、モダンなコーヒーショップがオープンしていた。シングルオー、というこのお店は、オーストラリアのシドニーからやってきたという。外からも見えるタップ式のコーヒーは目にも楽しい。ただおしゃれなだけではない。コーヒー好きのチダも、うんと唸る味わいである。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

ここまで読んでいて、浜町ってどこ? 降りたことないかも。と思っている、そこのあなた。もったいない。浜町は近年、再開発されてきたが、この「再開発」という無機質な音の響きからは想像できない、活き活きとした「街づくり」がなされている、というのがほんとうだ。昔からある風情や店を大事にしつつ、美味しい飲食店を誘致。個性的な雑貨屋やカフェもある。そう、浜町は今、とても面白い。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

さて、まだチョコ散歩は終わらない。お次は、日本橋に2021年にオープンした新進気鋭のチョコレート&アイスクリームショップ、teal(ティール)へと向かおう。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

tealの入っている建物は、渋沢栄一邸宅跡地に建てられている「日証館」である。昭和3年に建てられたというこの建物、レトロな雰囲気を確かに感じさせるが、モダンにも感じられる。流行を問わない美しいデザインだ。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

開店当初から人気のteal、それもそのはず。歩いて数分の位置にあるease(イーズ)という人気パティスリーの姉妹店としてオープンしたのだ。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

チョコレートとアイスクリームのお店、ということで、アイス(ジェラート)をいただく。ここには何度か通っているが、筆者のおすすめはアマゾンカカオのジェラートだ。ジェラートを頼むと、底にブラウニーを入れてくれるのも嬉しい。初めていただいたときは、カカオのフルーティな酸味を活き活きと感じさせながら、チョコレートらしさもしっかりと感じられる味わいに感心したものだ。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

tealから出て、ほんの少し歩くだけで、姉妹店のeaseが見えてきた。今日も店内には人が並んでいる。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

パティスリーには珍しいオープンキッチンで、たくさんのスタッフがせっせと働いている。焼き上がってきた焼き菓子の香ばしい香りを嗅ぎながら、美味しそうだなあ、どれにしようかな、と頭を悩ませる時間もしあわせだろう。

 

実は先ほど、tealで「アマゾンカカオのチーズケーキ」を買っていたのだが、こちらには「アマゾンカカオのティラミス」があるではないか。おお、これは是非食べ比べてみたい。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

ということで。買って帰りました。アマゾンカカオを使ったケーキ2種。

 

easeのティラミスは変わり者。パリパリっとしたホワイトチョコレートのコーティングで包まれている、ティラミスらしからぬティラミスだ。コーティングを割ってみると、チョコレートスポンジが見える。中心部にはアマゾンカカオの味わい濃いムースと、これまた濃いめのキャラメルゼリー。カスタードのムースも全体を包むように入っている。卵の味わいと見た目の色合いから、プリンのような気もしてくる不思議なティラミスだ。どこを切り取っても美味しくてびっくりする。

 

tealで買ったアマゾンカカオのチーズケーキは、両側面が柔らかいタルト生地になっているという面白い仕上げ。とにかく、アマゾンカカオが持っているフレッシュフルーツのような鮮烈な味わいがよく感じられるケーキだ。バナナやラズベリー、りんごのフレーバーといったところか。それだけでなくカカオの苦味も感じられるところがいい。両側面のタルト生地は食感も味わいも主張は控えめで、中のチーズ生地を引き立たせる役のようであった。

 

チョコレート散歩その①「晴れた日の日本橋で」

チョコレートショップを3軒巡り、ケーキを2種類食べたところで、今回の会はお開き。次回はどこへ散歩へ行こうか。

 

 

 

文・カデカワミズキ

チョコレートおたくのフリーライター。子どもの頃はチョコ嫌いだったが、ハイカカオが世に出てからはチョコ好きに。クラフトから大手まで、幅広くチョコを愛しています。現在は都内大学で哲学を専攻。「食べる」という行為を考えていきたい。

twitter:@mizuki1010uk