“フェアトレード”を根幹に据えるブランド、「People Tree(ピープルツリー)」。エシカルで地球環境に優しい、サステナブルなファッションを軸に、ライフスタイルに寄り添うアイテムを幅広く展開しています。

 

その中でも人気商品のひとつに位置するのが、オリジナルのチョコレート。素材から製法にまでこだわり抜いて完成するそれは、シンプルでありながら贅沢な味わいで、長く愛されているのです。

 

そんな「People Tree」が今年30周年の節目を迎え、チョコレート特設サイトを刷新するという情報が舞い込んできました。製作現場にお邪魔してみると、そこに集っていたのは最前線で活躍するクリエイターたち。「People Tree」の新たなイメージはどのように仕上がり、なにを伝えてくれるのでしょうか。

 

文・小松翔伍
取材撮影・チダコウイチ
写真提供・ピープルツリー

 

フェアトレードに尽力して30年。作り手の体温が伝わる品々を生活に提案

近ごろ、よく耳にするようになったSDGs(持続可能な開発目標)。2016年に国連サミットで採択され、社会や経済や環境に関する様々な課題を2030年までに達成しようとするものです。グローバルカンパニーや大手企業が中心となり推進している取り組みの数々によって、私たちの生活に広く浸透してきました。しかし、「People Tree」は、30年も前からサステナブルな活動を続けているのです。

 

「People Tree」は、1991年にイギリス出身のサフィア・ミニー氏とジェームズ・ミニー氏が設立した、フェアトレード専門ブランドの世界的パイオニア。“生産者に仕事の機会を提供する”、“児童労働および強制労働を排除する”、“環境に配慮する”など“フェアトレード10の指針”を胸に歩んできました。

 

幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。

提供するアパレルは、オーガニックコットンを始めとした自然素材を手仕事によって仕上げたもので、それぞれの国や地方、民族の伝統的な手法を受け継いでいます。そして、可能な限りはその地方で採れる素材を用いているのが特徴です。そんな手仕事で作られたアイテムは味わい深く、作り手の体温を感じるものばかり。しかも、経済的・社会的に不利な立場にある現地の人たちに、それぞれの能力を発揮できる仕事で収入を得る機会をもたらしているから、ユーザーの目には魅力が倍増して映っていることでしょう。大量生産のシステムとは違う価値観で国際貿易に参加し、自立に繋がっているアイテムはどれも素敵です。

 

幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。
幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。
幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。

「People Tree」は1996年に、WFTO(世界フェアトレード連盟)の前身であるIFAT(国際オルタナティブトレーダー連盟)に加盟し、2003年にはフェアトレード団体としての認証を受けています。

幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。
幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。
チョコレート本来のおいしさを手頃な価格で

「People Tree」のチョコレートも、フェアトレードで作られています。カカオ豆はボリビアやペルーやドミニカから、甘味とコクの決め手となる黒糖はフィリピンから、それぞれフェアトレードで輸入したもの。さらに、すべてのチョコがEUオーガニック認証を得ており、有機栽培の原料を使用しています。

 

しかし、「People Tree」が長年支持されているのは、フェアトレードやオーガニックだけが理由ではなく、本質的な美味しさにもあります。

幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。

ベースとなるカカオをはじめ黒糖や粗糖などのすべてに栽培方法から厳選した原材料を使用し、余計なものは一切加えないシンプルな作り。一般的なチョコレートの大半は、乳化剤で口どけの良さを高めたり、温度変化に耐えられるように植物性油脂を使ったりしていますが、「People Tree」のチョコレートは体温で溶け始めるココアバターを贅沢に使い、とろけるような極上の口どけに。代替油脂を使ったチョコレートでは味わえない、デリケートな素材本来の美味しさを感じられるのです。

その仕上がりはショコラティエが作るチョコレートにも負けないほどの高いクオリティ。味も香りも口どけも、心地よく上質に広がります。

 

「People Tree」のチョコレートを製造しているのは、スイスの工場。スイス伝統のコンチェ(練り)技術を使って最大72時間練ることで、カカオの香味とまろやかさを最大限に引き出し、「People Tree」のチョコレートが完成します。それなのに板チョコシリーズは、378円(税込)〜と手に取りやすい価格も魅力です。

そのスイスの工場も「People Tree」と同じように、フェアトレードやオーガニックの取り組みに注力。原料を仕入れるだけではなく、スタッフがカカオ産地の南米に駐在し、生産者の自立支援をバックアップしているのです。しかも、ただ金銭的な支援をするのではなく、教育を含め生活を豊かにするサポートをし、互いの信頼関係を構築しています。

幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。
精鋭のクリエイターらが特設サイトをリニューアル
幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。
リニューアルしたピープルツリーのチョコレートサイト

生産者から味わう人までを笑顔にする「People Tree」のチョコレートですが、特設サイトをリニューアルし、どんなメッセージを伝えてくれるのでしょうか。製作現場にお邪魔し、「People Tree」の伊藤さんにお話を伺いました。

 

幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。
「People Tree」で食品/事業推進マネージャーを務める伊藤さん。フェアトレードやオーガニックを通じて、より良い生活と社会を目指す。

「『People Tree』のチョコレートは、フェアトレードで作られていることを認知していただけるようになりました。近年はフェアトレードの概念が一般的に浸透し、大企業も産地や生産者の状況を伝えてくれています。フェアトレードを世間に周知してもらうことが『People Tree』設立当初からの夢であり、それが実現してきたのです。でも、『People Tree』のチョコレートが長くご愛顧されている理由は、フェアトレードだけではなく、チョコレートの美味しさにあると自負しています。それを改めてお伝えしたいと思い、まずは世界観を表現できる特設サイトをリニューアルする運びとなりました」

 

幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。

製作に参加したのは、あらゆるメディアで腕を振るうクリエイター。第一線で活躍する方々が「People Tree」の新たなビジュアルを作り上げました。全員が一丸となり、試行錯誤しながらチョコレートの魅力を引き出します。

 

幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。

舵を取るのは、アートディレクターの岸直人さん。「これまでの特設サイトは、パッケージのイラストの延長にあるデザインでとても可愛いのですが、フェアトレードの活動とは結びつきずらいように感じました。ですので、『People Tree』の背景にある理念や活動のモチベーションを伝えるために、モノ作りへの真剣な姿勢をビジュアルで表現する方針にシフトさせました。パッケージの可愛らしさがあるので、シックなニュアンスで表現してもバランスよく仕上がります。フェアトレードやオーガニックの伝え方に関しては、ストイックになりすぎないように意識しています」

 

幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。
飲食関係をはじめ、さまざまな企業やお店のホームページデザインを手がけた実績を持つ岸さん。すべての仕事は社会的に価値のあるものと考え、「People Tree」の企業精神に共鳴しているとのこと。

シャッターを切るのはフォトグラファーの福田喜一さん。写真のトーンや光の加減でチョコレートの絶妙な表情を捉えます。「生活の延長にあるチョコレートを写真で感じられたらいいなと思います。チョコレートは表面の見た目だけでは美味しさが伝わりにくいので、他の食べ物より撮るのが少し難しいんです。それをうまく表現しつつ、人が写っていなくても、人の体温を感じるような雰囲気を出したいです」

 

幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。
福田さんは料理や風景、ポートレートを中心に撮影するフォトグラファー。雑誌からCMまで幅広く活動しています。世界的な高級チョコレートメーカーの広告を撮影したこともあるそうです。

そして、スタイリストの西﨑弥沙さんがチョコレートをコーディネート。小道具でリアルな日常を描き、先にある情景を演出しています。「フレーバーに合わせたスタイリングをしていて、カカオ豆本来の美味しさを伝えられるようにイメージ。小道具は年代物を中心に使っています。温もりがあって、綺麗に作り込み過ぎていない魅力的なものを選びました。作り手の温もりを感じる小道具は、『People Tree』にぴったりですし、古いものを愛する姿勢も『People Tree』らしいと思います」

 

幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。
フードやインテリアのスタイリングを手がける西﨑さんは、雑誌やウェブメディアで大活躍。ユーザーに寄り添った卓上の提案に、他スタッフから全幅の信頼が寄せられていました。
幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。
幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。
幸せが循環するチョコレート。「People Tree」が伝えたいコト。

なにげなく口にしているチョコレートも、生産者に思いを馳せることで意識が変わるはず。「People Tree」のチョコレートは、生産者や製造者の幸せを経て、消費者のもとに笑顔を届けています。手に取りやすい価格でありながら社会に貢献できるのは、価値ある消費と言えるでしょう。しかし、決して押しつけがましくないのが「People Tree」のチョコレート。ピュアな美味しさが人を惹きつけているからこそ、ロングセラーを記録しているのです。フェアトレード活動から本格的な味わいまでを表現した新たな特設サイトを見ると、「People Tree」の魅力的な世界観をもっと感じられるはずです。

 

 

クリエイティブチームの力を結集し、完成したムービーがこちら

 

 

 

小松翔伍

ライター/エディター

雑誌やウェブメディアで、ファッションを中心としたカルチャー、音楽などの記事を手掛けているフリーランスのライター/エディター。カルチャーから派生した動画コンテンツのディレクションにも携わる。海・山・川の大自然に溶け込む休日を送るが、根本的に出不精で腰が重いのが悩み。