「カカオ(cacao)」をお題に、アーティストやクリエイターの方々に創造・創作していただくコーナー。 第13回目は、特別編として沖縄在住の陶芸家、佐藤尚理さんに参加いただきました。

 

沖縄特集で玉城食堂の取材の日、駐車場に車を停めると隣にはボルボ240、ガンメタル色の渋いヴィンテージカー。運転席に乗っていたのは陶芸家の佐藤尚理さんだった。大きなダンボールを抱えて車から降りてくると「前に頼まれていたカカオの作品、出来たんです!」と言って玉城食堂で見せてくれたのがカカオのコップとポットだ。そのカカオの実の再現性と緻密さ、ふぞろいな形のかわいらしさ、モダンさ、淡くおしゃれなカラーリング。その全てに驚き、見ていた皆が欲しくなってしまった。

 

文・小泉恵里

写真・佐藤尚理(作品・メイキング)

チダコウイチ(アトリエ取材)

 

 

Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理

グレーのポット、高さや幅がさまざまな足付きカップとぐい呑のようなカップ。どれも淡い色合い、手に持つとざらっとした質感がほっこりと温かい。楽しくてかわいい、佐藤さんらしい作品に仕上がった。

 

翌日、佐藤さんのアトリエに伺ったときにカカオカップとポットがどのように作られたのかを見せてもらった。カカオの実(カカオポッド)の型取りのメイキング写真は、後日佐藤さん自らが撮ってくれたものだ。

 

Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理

玉城食堂でカカオカップとポットを披露してくれた佐藤さん。小ぶりなカップは手馴染みもよく使いやすそう

Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理

本物のカカオポッドと、型で作ったカカオの器の原型

Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理

アトリエに置かれたカカオポッドの型取りをしたもの

Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理
Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理
Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理

器を作るためのシリコンモールドを細かく説明してくれた

カカオポッドの型 製作工程
Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理

これがカカオポッド(カカオの実、中身を抜いて乾燥したもの)。佐藤さんはネットで購入したそうだ

Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理

土台の上にカカオポッドを置く

Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理

シリコンを上から流して表面の型を取る

Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理
Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理

表面の型を乾燥させているところ

Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理

裏面も同様に型を取り脱型して、両面のシリコン製モールドがこのように完成した。カカオポッドの凹凸や質感が細やかに再現されている

 

Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理

沖縄のアトリエ訪問から2ヶ月経ったある日、佐藤さんから連絡があった。

 

「最近またカカオについて調べていたら、マダガスカルでもカカオ豆が栽培されているのを知りました。(マダガスカルの植物を主に育ててるので)それで、急に惹きつけられてマダガスカルの猿ワオキツネザルとインドリの陶器も今作っています。週末には本焼きに入るので出来たら写真、送りますね」

 

それで、送られてきた写真がこれ!

Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理
Idea Pod 特別編: vol.13 佐藤尚理

「しっぽが長いのがワオキツネザルで座っているのがインドリです。カカオの実は、周辺の動物が食べているようですよ」と佐藤さん。

 

カカオカップ&ポット、そしてさらなるカカオの研究から生まれたカカオの実を食べているであろうマダガスカルの動物たち、ワオキツネザルとインドリ。Idea podの超スペシャルバージョンの作品は、どれも買いたくなってしまうものばかり。商品化を期待しよう。

 

 

PROFILE

 

佐藤尚理

 

陶芸家

2000年頃から彫刻家として活動を始める。2008年夏、ドイツミュンヘン美術大学に留学。スペイン巡礼の徒歩旅行などドイツを拠点にヨーロッパを巡る。2009年冬、帰国し陶芸家としての活動をスタート。2010年春より沖縄の南城市にアトリエを建て、以降そこを拠点に作陶。2012年2月、自身のギャラリー「器 bonoho」をアトリエの敷地内にオープン。2013年~現在、個展やグループ展・イベントなど、様々な場で活動の幅を広げている。