「カカオ(cacao)」をお題に、アーティストやクリエイターの方々に創造・創作していただくコーナー。 第9回目は、デザイナーとして、コラージュアーティストとしてご活躍の瀬戸徹さん。チョコレートの思い出が詰まった素敵なコラージュが出来あがりました。

 

 

 

Idea Pod : vol.9 瀬戸 徹

 

「僕とチョコレート」

 

あれは確か、小学校 1 年生くらいの時のことだったと思う。ある日、父がチョコレートの詰め合わせを持って帰ってきた。箱やそれを包んでいた包装紙の記憶はないけれど、チョコレート一粒一粒を包んでいるカラフルでメタリックな紙の事はよく覚えている。みどり、青、ピンク、金色、” 綺麗だなぁ。” そしてそのきらびやかな包紙をむき、チョコレートを一粒ほおばる。” 甘くておいしいー ” でもこれは知ってる、だって幼稚園のころからチョコレートは食べてるから。あま~い or にが~いの二極化、じつに単純な味覚ですが、しかしこのとき、僕のチョコレート対する記憶が上書きされたのですね。カラフルで装飾的なチョコレート。まあ味についてはあいかわらず、あま~い or にが~い だけの単純な感覚ですけれど、、

 

今回こういう機会をいただき、懐かしい記憶が鮮明によみがえりました。そしてあらためて「僕とチョコレート」の関係について考えてみる。大人になってからのチョコレートへの印象はというと ” 香りがいい~”” 口溶けがいい~” などとたくさんの体験•感覚が増え、楽しみ方が膨らんでいます。素敵です。

今回一枚一枚コラージュしていく中で、あのカラフルな包紙で着飾ったあま~いチョコレートのことをありありと思いだしました。チョコレートに対する子どもの頃の純粋な感覚、いいじゃないですか。そしてそれはより色濃くアタマの中に上書きされたのでした、すばらしい。

 

今回の作品は、そのときの記憶を振り返りつつ、あま~いチョコレートをほおばりながら制作したものです。

 

 

 

 

PROFILE

 

瀬戸 徹

 

1965 年生まれ。ソニーミュージックエンタテインメントでデザイナーを務めた後、1995 年よりデザイン会社 THROUGH.design を主宰する。

グラフィックデザイナーとしてキャリアをスタートしたが、約 30 年前より 2 度にわたり脳外科手術を受け、以来後遺症 ( ふらつき、動眼神経麻痺など ) があるため、デスクワーク中心のグラフィックデザインとリハビリテーションの日々を送っています。 近年は、長引く後遺症のリハビリテーションのためとして、1 日 1 コラージュの作品制作を続けている。

Idea Pod : vol.9 瀬戸 徹