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専属のショコラティエを抱え、収蔵する美術品をモチーフにしたオリジナルチョコレートブランド「Okada Museum Chocolate」が、チョコレート好き、そしてアート好きの間で人気の箱根・岡田美術館。

実物のアートを愛でる眼福、アートが描かれたチョコレートを口にする“口福”に誘われて、APeCA編集長が岡田美術館へ。

 

専属ショコラティエがいる箱根の岡田美術館へ!

2013年、箱根町に開館した岡田美術館は東洋、日本美術の名品を収蔵する私設美術館です。近世・近代日本画、東洋陶磁器の充実したコレクションに加え、縄文土器から土偶・埴輪などの考古遺品、仏像や仏画など、常時約450点の美術品を展示する見応えたっぷりの美術館。中でも江戸時代の天才画家、伊藤若冲が生んだ傑作は同館のコレクションのハイライト。

 

専属ショコラティエがいる箱根の岡田美術館へ!
伊藤若冲 「花卉雄鶏図」(部分)18世紀中頃 岡田美術館蔵
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専属ショコラティエがいる箱根の岡田美術館へ!
伊藤若冲 「孔雀鳳凰図」(部分)宝暦5年(1755)頃 重要美術品 岡田美術館蔵

年始のNHK番組で伊藤若冲の才能に迫ったドラマ「ライジング若冲 ~天才 かく覚醒せり~」が放映され、改めて若冲に関心が集まる中、岡田美術館は若冲の初期作品から最晩年の作品、計7件を収蔵するという贅沢な美術館。傑作のひとつ「孔雀鳳凰図」を目にして、あれ?これは宮内庁所蔵の「動植綵絵」の一部じゃない?という思いがよぎった。そう捉えても不思議はない。岡田美術館収蔵の作品は宮内庁所蔵の全30幅からなる連作『動植綵絵』の二幅として描かれた絵画と画題、構図も似通っているのだから。神話に登場する鳳凰、尾羽の先端が美しい緑色に輝く孔雀といった実際に見たことのない生き物が舞い降りるという非現実的なセッティングと、肉薄したリアリズムで細部まで描いた若冲の神がかった想像力と観察力はいずれの絵にも共通する。

 

専属ショコラティエがいる箱根の岡田美術館へ!
専属ショコラティエがいる箱根の岡田美術館へ!
Okada Museum Chocolate『若冲・孔雀鳳凰』2,800円(税別) モチーフ 伊藤若冲「孔雀鳳凰図」

そんな若冲の作品をチョコレートで味わえるのが、Okada Museum Chocolateの『若冲・孔雀鳳凰』。作品を収蔵し、専属のショコラティエを抱える岡田美術館だからこそできるチョコレートだ。日々、美術館の収蔵作品と向き合うことのできる専属のショコラティエが若冲の「孔雀鳳凰図」をモチーフに、若冲の世界を再現した5つのショコラはそれ自体が立派なアート。ショコラの上で絵画のように若冲の色彩がスパークし、見ているだけでも気分が高揚する。奇才、若冲よろしく、ショコラに使われている12年もののビンテージバルサミコ×イチジク、白トリュフ×栗、クリームチーズ×あずきといった、洋と和の素材の意外な組み合わせが口の中で未知の味覚を覚醒させてくれる。若冲の絵画制作にかける思いに重ねて、自分の思いをチョコレートに託すか、勝負チョコレートにどうぞ。

 

専属ショコラティエがいる箱根の岡田美術館へ!

もうひとつ、美術館を訪れる人が目を見張るのが、エントランスを入ってすぐに目にする建物正面を覆う高さ12メートル、幅30メートルの大壁画「風・刻(かぜ・とき)」だ。日本美術史に残る絵師たちが何度も倣ってきた17世紀、俵屋宗達による傑作「風神雷神図屏風」(京都・建仁寺蔵)をもとに、日本画家の福井江太郎が5年の歳月を費やして制作した。高さ154.5cm、横幅169.8cmのオリジナル「風神雷神図屏風」と異なり、壮大なスケールで描かれた「風・刻」は、箱根の山とその山腹に建つ岡田美術館とを見守る神々のように、描かれた雲海の中から風神雷神が姿を現す、圧巻の力作。天変地異にみまわれても科学も技術も発達していなかったいにしえに、人々は神の存在を可視化し、平穏な日々を祈念したことだろう。“風の時代”といわれる今、風を司る風神の姿に改めて畏敬の念を感じるかもしれない。

 

 

専属ショコラティエがいる箱根の岡田美術館へ!
Okada Museum Chocolate『福井江太郎 風・刻』4,800円(税別) HSG(c)FUKUI

岡田美術館の顔である大壁画「風・刻」をモチーフにしたショコラ。 

そんな「風・刻」もチョコレートとして味わうことができる。風神と雷神、それぞれの姿をモチーフにしたチョコレートは8つセット。大胆な絵の構図同様に、素材の組み合わせも大胆。山葵、トマト、カマンベールチーズといったチョコレートと結びつきにくい素材に驚く。山葵×柚子を組み合わせた一粒は、同時に口に入れているはずなのにはじめは山葵の味が口に広がり、後になって柚子の爽やかさが追ってくる。トマト×カマンベールチーズという組み合わせでも、同じ一粒の中に入っているのに、初めはトマトの塩気と酸味が味覚を覚醒し、やがてチーズの味を感じる。一方、クリームチーズ×バニラ×レモンを組み合わせた一粒は、最初からチーズとバニラが溶け合った味。人の味覚って不思議、と改めて感じる。

 

美術作品を観て、アートとしてのチョコレートを食べるのも、アートのようなチョコレートを食べて、実物の美術作品の世界を体験するのも、どちらも記憶に残る体験のはず。

 

 

専属ショコラティエがいる箱根の岡田美術館へ!
専属ショコラティエがいる箱根の岡田美術館へ!
美術館では100%源泉かけ流しの足湯も楽しめる。アート鑑賞の合間に休憩しても◎

【美術館情報】

岡田美術館 

神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1

電話 0460-87-3931

 

同館に収蔵される若冲の作品全7件を一堂に展示中

「没後220年 画遊人・若冲 ―光琳・応挙・蕭白とともに―」

~2021年3月28日(日)

 

開館時間 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

入館料 一般・大学生 2,800円

小中高生 1,800円

https://www.okada-museum.com/

 

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文=長谷川香苗

写真=岡村大輔