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カカオとの出会いが人生を変えた「MAMANO CHOCOLATE」江澤さんインタビュー

エクアドルのアマゾン地域アルチド-ナ、周囲は森林保護エリアにも沢山指定されている地域。そんな日本から考えると秘境とも思われる場所から貴重なアリバ種のカカオを仕入れてチョコレートを作っている「MAMANO CHOCOLATE」の江澤さんからお話を伺いました。

カカオとの出会いが人生を変えた「MAMANO CHOCOLATE」江澤さんインタビュー

─ エクアドルのアリバカカオとの出会いを教えてください。

 

代表取締役・江澤孝太朗さん(以下、江澤):たまたま訪れたエクアドルでアリバカカオに出会い、その香りや素晴らしさにすっかり魅了されてしまいました。それまでは、全く異なる業界でサラリーマンとして勤めていて、チョコレート作りの経験はなかったのですが、直感で形にできそうだと感じてチャレンジすることにしたんです。

カカオとの出会いが人生を変えた「MAMANO CHOCOLATE」江澤さんインタビュー
エクアドル現地のカカオ農家さん。

現地では様々な果実や作物と一緒にカカオ栽培するチャクラ農法(アグロフォレストリー)を実践するカカオ生産者たちに出会いました。さらに、現地に住む森林を愛するドイツ人の方をパートナーに得て日本でチョコレートとして商品化することが実現できました。

─ お店OPEN当初のお話を聞かせてください。

 

江澤:NPOなど他の形も検討したのですが、エクアドル現地への貢献が一番うまく行く方法や人が喜ぶことに直接出会える活動は何かを考えました。小さな良い行動の積み重ねも大事ですが、より地球規模な大きな影響力をつくりたい、そんな思いから法人を立ち上げました。

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今となってはショコラティエもいますが、当初は自分でチョコレートの基本の書物から読み漁り日々勉強を続けました。チョコレートの本として出版されているものはほとんど読み通ってきているという自身もあります。5年は粟を食って行こうという気持ちで構えていたので、開店当初に困難に思ったり大変だと感じたりすることはあまりなかったです。

アリバカカオを使ってショコラティエが作る商品たち
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─お店に入った瞬間、目に飛び込んでくる綺麗なガナッシュはカラフルな色合い。箱にきちんと並んだ生チョコレート、ラム酒付けのレーズンのチョコレートコーティングなどバリエーションも豊富で見ているだけでもワクワクしてきます。

 

江澤:ママノチョコレート創業したてのころから人気が高く、定番ともいえる「神様の大粒生チョコレート」はアリバカカオの香りをダイレクトに感じてもらうためにカカオパウダーを付けていません。アリバカカオを生かしたいという思いから生まれたこだわりなんです。

3.5gほどの小さな「タブレット」は1枚から購入できる価格帯にしています。お客さんに選択肢があって親しみのある雰囲気を出したかったからです。このタブレットは5種展開していて、73%のベーシックなものから、鹿児島与論島の塩入り、種子島の非精製の黒糖入り、韃靼蕎麦の実入り、エチオピアの中炒りコーヒー豆が丸ごとが入ったものなど、どれも味の個性やバランスでアリバカカオの華やかな香りを邪魔せず引き立ててくれるように配合されています。素材を採用するまでの開発段階でも、様々なことを考えます。例えば蕎麦の実でも韃靼蕎麦を選んだのは、ルチンが豊富だからお客様の健康にとって良いのではなかと考えました。コーヒー豆を潰さずにそのまま使うのは、できるだけ酸化することを防いで炒りたての香りに近づけるための工夫です。これは店頭でしか買えないので、ぜひ定員さんとのお話を楽しみながら選んでみて欲しいです!

パレットショコラの魅力
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─見た目も華やかな「パレットショコラ」は2種類展開されています。ダブルベリーは、セミドライなクランベリーのフルーティーさがチョコレートと相性抜群。ザクザクしたパールシュガーの食感もあり、食べ応えがありました。ソルティナッツは、アクセントにシーソルトが効いていてこれまた格別、コーヒーブレイクにプレゼントしたら喜ばれそうです。

 

江澤:あえてツヤを重視せずに作っています。大理石の上で材料を混ぜ合わせて粗めの食感やハーモニーを出していて、気軽に楽しんでほしいです。

 

─ カカオ100%の楽しみ方を教えてください。

 

江澤:カカオレットドロップスという「しずく」のようにチョコレートを垂らして固めた、1粒チョコレートはMAMANOの定番商品です。73%の他に砂糖を加えないカカオマス100%も販売しています。主に買われるお客様はホットチョコレートなどドリンクを作るためや、お菓子作りなどのために購入する方が多いです。

袋や箱を開けた瞬間から、エクアドルのアリバカカオの豊潤で華やかな香りを楽しめます。口の中で溶かしながらカカオ豆本来の豊かでバランスの良い味や心地よい苦味を感じられる自慢の商品です。

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─ 今後はどのようなストーリーを描いていますか?

 

江澤:6月末に銀座に日比谷OKUROJIという施設がオープンするのですが、そこに2号店を開く予定です。お店の場所はとても重要ですが、こちらの施設は明治時代から続く100年前のレンガ作りを再現されているということで、そのストーリーやお洒落な場所も気に入りました。ロゴや文字のフォントなども小文字を使うなど赤坂店と違いを出しました。店頭は高級感を出した雰囲気なのですが、これまで通り 「笑顔・優しさ・あたたかみ」を意識した親しみやすさを接客や商品から出していきたいです。

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MAMANO CHOCOLATEのパートナーたちについて

江澤:MAMANOという言葉はエクアドルの現地組合の7割もの方が女性だったこと、若い女性農家さんも多いことから「MAMA」というワードを入れています。組合はカカオ生産者たちを主に構成されています。机上の話をするだけではありません。力仕事もありますが、女性たちが力強く働いている姿はとてもまぶしいです。インスタグラム@winak.ecuadorで、なかなか見ることが出来ない現地の様子などを少しずつ発信しています。

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最後に

店頭に並ぶチョコレート商品のほとんどに添加物が入っていないことや、チョコレート以外の食材や生産者とのつながりにも拘って作り上げられていることは、大切にエクアドルからアリバカカオを仕入れて手に取るお客さんのことを丁寧に考えていらっしゃるからこそ妥協をしていないように感じます。一方的な価値観を押し付けるのではなく、食べる方が喜ぶことを自然と優先で考えられていることに感銘を受けました。生きること、楽しむこと、それらが仕事に繋がることを体現されている江澤さんがエクアドルと日本を繋げて作り上げたMAMANO CHOCOLATE 、引き続き現地への貢献や商品の進化が楽しみです。

江澤さんプロフィール
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江澤孝太朗(Kotaro Ezawa)

1986年生まれ。ITベンチャーにてウェブディレクターを経験後、NPO法人TEAM挑戦を立ち上げ。南三陸の復興支援やダイバーシティ富士登山などの活動に取り組む。2013年に株式会社コータロー創業及びMAMANO CHOCOLATE立ち上げ。

文:古屋真衣 写真:新井まる