右手で食事をすることのメリット
インドネシアの農村で過ごしているとスプーンやフォークを使わずに右手で食事をする場面が多い。レストランとかでもスプーンがあってもあえて道具を使わず直接右手で食事をする人が多いくらい、現地では当然の文化である。

日本人からすれば「手で食べるなんて汚い」なんて言ったりするけど、実際には昔から日本人は寿司やおにぎりを手で食べていたし、いまでも何気にポテトなどは手でつまんで食べている。それに数字でいえば、世界の44%が手食文化だという。

インドネシアで生活を始めたとき、最初は「手で食べるの不便だなー。でも皆んなが手で食べてるのにひとりだけスプーン使ってばっかりだと仲間感がないから頑張って手で食べよう。。」といった”郷に入っては郷に従え”精神で徐々に手食文化になっていった。
そうしたところ気づいたことがある。
「手で食べた方が美味しいかも。。!」

食事は5感で楽しむものである。味覚だけを使っているように思えて、じつは鼻で香りや、目で色彩、唇にあたるときの触覚、パリッ!やジューッ!といった音を聴覚を使って楽しむ。
その食べ物がふわふわなのかガチガチなのか弾力があるのか、水っぽいのか油っぽいのか乾燥しているのかは手指で触ることでかなり確認できる。美味しさの推測みたいなことを手でやっている。
魚を食べるときや鶏肉を食べる時に「どこに骨があるのか」は手で持つことでなんとなく感覚を掴める。そうすることで「ここにかぶりつけば骨がないから安心して食べられる」とか、「ここには細かい骨がありそうだから慎重に食べ進めよう」とかもわかる。安全性の確認もできる。

じつはチョコレートも手食文化な気がする。
チョコレート製造をするときには
「板チョコを割った時のパキッというスナップ音を確認しろ」とか
「指で触ったときの溶けるスピードを確認しろ」とか
いろいろと風味以外の部分をケアすることがある。(そのメーカーのポリシーによるだろうけど)
手で食べる文化、もっと日本で広まってもいいのかも。