コロナにより国内外の移動が制限されてはや1年が経過した2021年3月末。

ちょうどインドネシアではカカオ農園の6月頃の収穫期に向けて準備がはじまっていたため、2年連続で収穫期にいけないかもしれないことや農園と密に連携して完遂しなければいけないプロジェクトもあり危機感が募っていた。そんな折に、インドネシアのパートナーから「いまなら2ヶ月間のビジネスビザがとれるよ」と連絡があった。二つ返事でビザをとってほしいと連絡した。

 

日本での仕事が頭によぎったが、「このチャンスを逃すと収穫期にインドネシアに訪れるのはまた一年先になる」と思いすぐに渡航を決断した。「収穫期にその場にいることの重要性」はカカオ農園と仕事をするひとなら誰でも感じることだろう。後戻りできないようにチケットを確保し2ヶ月先の国内でのオンサイトの予定はすべてブロックした。(オンラインで MTG に参加できることも多く、東南アジアは時差も少ないため不便はそこまで感じなかった。ある意味コロナが農園に行きやすい状況をつくってくれた)

 

カカオ開発は政府を巻き込むのが鍵?~コロナ禍の旅路~
コロナ対策でホテル隔離中のジャカルタの景色

インドネシアに行くと現地で活動のスケジュールが組まれ、今回はこれまでメインの活動拠点としていたスラウェシ島のエンレカン県だけでなくジャワ島、スマトラ島、南東スラウェシ、バリ島など複数の島の政府や民間のプロジェクトと連携してカカオ農園に訪問することになった。

 

各地域とカカオのネゴシアンであるフーズカカオの目的は一致している。

「高い品質の商品をつくれる状況にし、マーケットに届けること」

 

 

この目的のためにはお互いの課題の把握とその解決方法を議論する必要があり、課題は現場にたくさん転がっているがこういった課題はひとつの農園だけに聞いても解決する答えは見えてこない。すべての農家さんに異なる課題があるからだ。データを調べることが一番俯瞰して解決すべき課題を特定するには早いのだが発展途上国では公開されている信用できるデータが少ない。それならばと、自治体に直接かけあって農家さんの状況をヒアリングしたり、僕らがどういう素材ならいくらの価格でどれくらいの量を買いたいと思っているのかを伝える。そうすると、政府も農家さんを支援することでどれくらい地域が発展できるのかがわかってくる。

 

カカオ開発は政府を巻き込むのが鍵?~コロナ禍の旅路~
カカオ開発は政府を巻き込むのが鍵?~コロナ禍の旅路~
スマトラ島西スマトラ州パダンのある農園では3年前にカカオの発酵所をつくったものの買い手がおらず事業は中止。需要のある畜産業に変わっていた
カカオ開発は政府を巻き込むのが鍵?~コロナ禍の旅路~

現地パダンのメディアでも「フーズカカオのカカオ開発と適正価格の取引」について記事に

https://www.gemamedianet.com/2021/06/sabar-as-sambut-whosecacao-inc-jajaki.html

 

 

 

カカオ開発は政府を巻き込むのが鍵?~コロナ禍の旅路~
品質がばらばらなカカオ豆 (左) と発酵がうまくいっているカカオ豆(右)

農業と食のバリューチェーンの中でもカカオはそれが長い。すべてを自社が担おうとするととてつもない労力と時間とお金がかかってしまう。できるところは現地にちゃんと担ってもらわないと活動は継続できない。だからこそ農家さんと政府にタッグを組んでもらうことが大事。

日本でも中小企業にとって補助金や助成金を活用するためのBtoG(Government)営業は大切だが、小規模生産者が集まるカカオ農園でもBtoGの営業活動が農園の状況をより良くすることにつながる。カカオ開発は「農園を助ける」仕事ではなく、「最適な仕組みに整えていく」仕事であることが今回の旅でいっそう理解できた。